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AYA SASAKURA
佐々倉 文
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ジュウロクマンハッセンニヒャクニジュウロッコ

exhibition main picture / 展示のメイン画像

ジュウロクマンハッセンニヒャクニジュウロッコ
個展
@ ギャラリーマドベ@ちどり
2014/03/19  - 2014/03/30

ジュウロクマンハッセンニヒャクニジュウロッコは
奥の部屋のテーブルを満たす石の数です。

この場ではそれが本当かどうか、なかなか簡単には確かめようがないので

これは
ジュウロクマンハッセンニヒャクニジュウロッコ
ジュウロクマンハッセンニヒャクニジュウロッコ
ジュウロクマンハッセンニヒャクニジュウロッコ
.....

と唱えてみてください。

ジュウロクマンハッセンニヒャクニジュウロッコに見えてきたでしょうか?
そして、少し長くなりますが、もう一つ。


・・・・・・・・・・・・・・・


あるところにおじいさんが住んでいました。
おじいさんの家は海のすぐ側にあり
毎日、浜辺を散歩するのがおじいさんの日課でした。

雨の日も風の日も。
雨の日は傘をさして、毎日毎日、歩いていました。

浜はたくさんの石の浜で
しっかりと足元を見ながら歩かなければ
転んでしまうか、足をくじいてしまう様な浜なので
おじいさんは、いつもしっかりと足元を見ながら気を付けて気をつけて歩いていました。

ある日、いつもの様に足元を見ながら歩いていると
色んな形をした石の中に、綺麗にまん丸い石をみつけました。

あまりに綺麗に丸いので、おじいさんはその石を持ち帰り
家の庭に置きました。

それからというもの、おじいさんは、散歩に出かけては
丸い石を探すようになりました。
来る日も来る日も探すのですが、なかなか丸い石は見つかりません。

それでもおじいさんは、毎日毎日探し続けました。

やがて、長い長い月日が流れ
おじいさんの庭は、きれいに丸い石でいっぱいになりました。

大きなものから小さなものまで、赤い石や、黒い石
おじいさんの庭は、まんまるい石でいっぱいになりました。


ある晩のこと。
「こんばんは~。夜分にすいません。
この家の庭の、まん丸い石を少し、いただけないでしょうか?」
と見知らぬ男が訪ねてきました。

話を聞くと、男は南の方から、まんまるい石を探し続けてこの浜へ来たそうで
今日も朝からずっと浜で石を探していたのだが、見つける事ができず、
諦めて帰る途中でこの家の庭の前を通りかかったと言う。

おじいさんは、とても嬉しくなりました。
自分と同じ気持ちを持つ人間に出会えたからです。

とても嬉しかったので、おじいさんは、これまで集めてきたまん丸い石を
あれや、これやと、男に見せ、自慢しました。

黒くて丸い石。
白くて丸い石。
大きくて丸い石。
小さくて丸い石。
もっと小さいのなら、ほら、ここにもいっぱいあるぞ。


そして、おじいさんは男にいくつかの石をあげました。

男はたいそう喜んで、お礼を言い、持っていた袋に石を入れました。
最後におじいさんは、いったいこの石をどうするのかと男にたずねました。

「花が咲くのです。このまんまるいいしには、花が咲きます。
この庭も、もうあと半月もすれば、石の花でいっぱいになります。」

そう言って男は、帰っていきました。



・・・・・・・・・・・・・・・


足元にある丸い石に花が咲いているのが見えるでしょうか?

潮の音が聞こえて
石の花の香りが漂ってきたら完成です。


そして皆さんが、いつか石のある海へ行った際
おもわず丸い石を探していたら
完璧です。

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